耳を澄ませば列車が遠ざかる
風は東から少し雨の匂い
蜜柑をむいて俺は涙ぐむ
悲しいことなどなんにも無いのに
みんな誰もこんなふうに
蜜柑を食べるんだろうか
今の俺はもう人の青ざめた俺と二人
今夜も酔いどれた俺は
物をまっすぐに見ることが出来ない
机の花が枯れていたのを
俺は何日も気付かなかった
ずっとこの頃辛い酒ばかり
肝臓が弱ってると医者も言っていた
夜がつつむ俺をつつむ
一人ぼっちの部屋で
明日には涙の跡も虚しさも消えるだろうか
今夜も酔いどれた俺は
物をまっすぐに見ることが出来ない
みんな誰もこんなふうに
蜜柑を食べるんだろうか
今の俺はもう人の青ざめた俺と二人
今夜も酔いどれた俺は
物をまっすぐに見ることが出来ない