ジェットコースターのうた
あの日、君は窓のそばに座って
ぼんやり 外を眺めていたネ
風が吹くと長い髪が揺れて
とても気分がよかったよ
声を掛けたのは ぼくの方だったし
晴れて海もよく見えた
話にすっかり夢中になって
名前を聞くのも 忘れちまった
君はローバタ・フラックが好きだったっけ
ぼくはジャニス・イアンの方が好きで
喫茶店でそんな話に時間をつぶして
割勘にしようなんて去ったりしてた__
“二人でギターを弾いて
君はあんまりうまくはなかったけど
遊園地のジェットコースターは楽しかったネ
次の日は雨降りだったっけ”
「君を好きだ」なんて言わなかったし
言って欲しく なかっただろう
「元気かい?」なんて電話をかけて
声を聞くのが嬉しかったんだ
ぼくは一人じゃないと思ったし
君の中にもぼくはいたけれど
それで二人はお終いだったんだ
君は素適な女だったけど